業務委託?派遣?契約の泥沼にハマる前に理解を深めておこう

IT業界
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業務委託・請負・準委任・派遣怖がらずに知ろう

IT業界に限らずですが、実際に仕事に従事していると様々な契約形態があったりますよね。フリーランスの人などは当然どんな特徴があるのか知っておく必要がありますし、会社勤めのエンジニアの場合でも、ただ単に「営業が持ってきた仕事」で言われた事やってればいいやとかそれぞれ、どんな特徴があるのか把握しておかないとトラブルの引き金になったりします。

それぞれの契約の特徴や違いを理解して、不要なトラブルは契約を取り交わす時点で排除しておく必要があります。

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契約の種別

ITでよく聞く契約の種別としては次になるでしょう。

  • 請負契約
  • 準委任契約
  • 派遣契約

「業務委託」もよく聞く言葉だと思いますが、「業務委託契約」と言うのは存在せず、実際は「請負」と「準委任契約」の総称にあたります。

請負契約

請負契約は要するに成果物の品質を担保する契約形態となります。請負契約の大きな特徴としては次があげられます。

  • 瑕疵担保責任
  • 発注側の契約解除権
  • 検収後の支払い
  • 受注側の指揮命令権

瑕疵担保責任

受注側が成果物に対して瑕疵担保責任が発生します。契約した仕事において完成したものに問題があった場合、定めた瑕疵担保期間内であれば、発注側は無償で修正を依頼する事ができ、受注側は修正する責任が生じます。

瑕疵担保保障期間

瑕疵担保保障の期間は何も契約書を定めてなかった場合は納品後1年とありましたが、2019年頃に施行される民法の改正により、最大納品後5年以内と大幅に延長になりました。この点は十分に留意しておく必要があります。知らない間に5年も瑕疵担保対応しなければならなります。ただし契約書内で記載されている事が優先されますので、契約書でしっかりと保障する期間を明記しておく事が大切です。

また、「瑕疵」は「契約不適合」と呼称が変更になった模様です。

契約解除権

請負契約の場合、発注側は受注側に対して損害を賠償する事でいつでも契約を解除する事が出来ます。2019年頃施行民法ではプロジェクト中断時の支払いについて明文化されるようです。

受注側は成果物の品質を担保した契約となります。ですので、受注側が契約の解除権を持ちません。一度、請負契約で請け負った以上、技術不足であったり、何らかの理由により終わらせることが困難だったとしても、受注側は契約を解除する事が出来ません。

検収後の支払

「成果物の品質」を担保するため、発注側は納品後に成果物の検収を実施します。この検収をもって初めて受注側は発注側に請求を行う事が出来るので、この検収は圧倒的にな意味を持ちます。前述の受注側が契約解除権を保有していない事もあり、検収があがらない限りは身動きが取れなくなってしまうのです。

受注側の指揮命令権

請負契約の場合、指揮命令権は受注側に存在します。発注側の指揮権は存在しません。

完了義務の有無について(2019年施行予定)

さて、少し前までは請負契約の大きな特徴の一つとして「完了責任」がありましたが、民法の改正(2019年頃施行)により変わるようです。準委任契約において「成果完了型」が導入される予定なので、「成果完了型」の準委任契約の場合、この点についての違いはなくなる事になります。

準委任契約

一般的にSESともいわれる準委任契約ですが、業務をこなす事に関しての契約となります。請負と準委任の線引きにおいて、準委任(SES)と派遣契約が混同されてしまうケースがあり、ここがトラブルの原因なるケースが多々見受けられます。

準委任契約の大きな特徴としては次があげられます。

  • 善管注意義務
  • 契約解除権
  • 期間による支払い
  • 受注側の指揮命令権

善管注意義務

受注側に善管注意義務が発生します。受注側は当然その業務のプロフェッショナルとしての当然の責務が発生します。

契約解除権

準委任の場合、契約解除権は双方に存在します。ただし、相手の不利なタイミングで解除した場合には損害賠償となります。

期間により支払い

請負契約の場合は検収後の請求となりますが、準委任の場合は業務の実施が目的になるので、期間での請求が可能になります。

受注側の指揮命令権

準委任契約の場合も請負契約同様、発注側に指揮命令権は存在しません。受注側に存在します。この辺りが勘違いされている方が多く、委託された作業の指揮命令権に関しては受注側に委ねられます。そのため、善管注意義務が生じてきます。言われたことだけをやっているだけをやっていて、問題がある事を知った上で対策をせずに低品質の作業を実施しててはダメという事になります。

「成果完了型」(2019年施行予定)

2019年頃施行予定の民法で、準委任契約も成果による支払いを行う契約が結べるようになります。準委任でありながら完成責任が伴います。発注側にとっては少し有利になったと言えると思います。

ですが、請負契約と異なり瑕疵担保保障が存在しない点が大きな違いとなります。

派遣契約

派遣契約は業務委託と異なり、業務に対して契約を取り交わすのでなく、人材を補填するための契約となります。

派遣契約の大きな特徴は次になります。

・発注側の指揮命令権

発注側の指揮命令権

派遣契約の場合、特定の業務における契約ではなく人材そのものを派遣する契約となります。なので、指揮命令権事発注側に移る事になります。これが、業務委託(請負契約、準委任契約の総称)と大きく異なる点になります。

派遣を行う為には特定労働者派遣事業所の申請をしているか、もしくは一般労働者派遣事業所の許可を得ているかが必要になりますが、2018年9月29日に「特定労働者派遣」制度が廃止になります。次の記事に纏めています。

一般労働者派遣と特定労働者派遣の違いと、特定労働者派遣廃止の影響について
特定労働者派遣の廃止ってどうなるの? 「特定労働者派遣」制度が2018年9月29日で完全廃止となります。 「一般労働者派遣事業所」に認可されていないと人材を派遣する事が出来なくなるとか、一体何がどうなるの?と言うわけで、特に私も携わっている...

まとめ

フリーランスや経営に近い所で仕事をしている方は十分に注意をしていると思いますが、会社勤めで、言われた事をやっていればと思っている人は思いもよらぬトラブルに巻き込まれてしまう可能性があるので、自分の身を守るためにもこういった所は知っておくことが肝要かと思います。

特に請負契約における「契約不適合」の修正申請が最大で5年に延びるのは恐怖でしかありません。一度収めたシステムが5年も精神的にプレッシャーかけてくるなんて怖くて怖くてしかたないですよね。キッチリと個別契約で定めておく必要があります。

きいつけなはれや!!

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